長谷川建築デザインオフィス株式会社

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住宅力

安定した構造の原理/力の流れを計画する

 

安定した構造の原理
上の図は、建物の内部にもともとある生活荷重や、建物に外からかかる力が
地球にどのように伝達していくかを示しています

建物は外から伺っただけでは、じっとしていて、その内部にどのような力が生じているかはわかりませんね。よほど大きな地震でもないかぎり、外から見て建物が揺れている様子を感じることはあまりありません。ところが、建物には四六時中「応力/ストレス」がかかっています。すこしばかりの風でも、建物の外壁面は広いので、相当な風圧を受けています。横をダンプが走ればその震動も外力として建物に働きかけるし、いうまでもなく、地震力は建物を上下、左右に揺さぶります。

安定した構造の家とは、こうした外力に単純に「抵抗する」丈夫さを指しているのではありません。
外力を上手に地球に伝達していく「力の流れを計画する」ことなのです。

もちろん、木造でいえば、柱の根元が「結露」で腐っている場合や、RC造ならばコンクリートが「中性化」して本来の強度を持っていないなど、その構造体の材料が劣化していては話になりません。「構造」とは、別のことばでいえば「関係性」です。安全な素材を前提として、それらを更に生かすことのできる「力学的な関係性」を、安定的に計画することを「安定した構造」計画と記述します。

さて、上図をもとに再確認する必要があるのは、「力」は上から下へ流れていくということ。従って3階建てを例に示せば

1. 建築を計画する際、1階を考えて、2階を載せて、そして3階を計画して、、最後にさあ「屋根の形をどうしよう」と、下から順に考えるのではなく(プロでさえ、そう計画している事実がありますが、それが不安定な構造を生み出す原因とは知らずにいます)この思考プロセスがなんと多いことか。

2. 安定した構造を得るための計画プロセスのイメージは、今風にいえば「真逆/まぎゃく」です。
まず、屋根(あるいは最上階)の大きさや形を見いだす。そのボリュームを支える「柱」や「梁」あるいは「壁」をどのように地球へと連続的に結ぶかを第一に考えるのです。

3. この最上階/屋根と地球とを結ぶ、力の連続する途中に、2階や1階を合理的に位置づけるのです。(ここでいう合理的とは屋根や最上階を支え、地球まで連続する柱などを、下の階でも利用するという意味です)

4. もちろんこれは3階、2階、1階を全て同じ平面計画/間取り/にするべき、などと主張しているのではありません。

下図に安定した構造の2階建て略断面図を示します。これが腑に落ちれば、安定した構造のセオリーの中で豊かで変化に富んだ空間が生まれる可能性が見えるでしょう

このように安定した構造の原理を理解することは、様々な応用につながります。
例えば建築年数が経った建築を改修する際、どうしても腐朽や仕上げの善し悪しに目を奪われがちですが
安定的な構造の観点から分析すると改修、補強するポイントが見いだせます。
敷衍していえば、建築デザインとは、建物の新旧にかかわらず
安定した構造のなかで展開される造形技術といえましょう。

 

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