ナチュラル・モダン01|クールな印象・北欧風の温もり空間
ポーチからふれあい庭を見る
夏場の鋭角な日射に対し、完全な板状の日除けとしてしっかり光を遮るルーバーの様子.
この住まいでは、周囲の建物、とりわけ南側に存在する3階建て住宅の日影を入念に調査。 冬の太陽がありがたい季節にすべての部屋の奥深くまで陽射しがとどく間取りと窓の工夫をしています。 但し、夏の強い陽射しは完全にカット。その積極的な仕掛けとして、軒先きに遮光ルーバーをデザインしています。 また、温熱環境をできるだけバリアフリーにする、すなわち、部屋ごとに寒暖の差をできるだけおこさない工法を徹底しています。 床下の蓄熱コンクリートを温水パイプで暖めて、床下空間の空気を暖めることで、 床暖房の直接的な輻射とは違う柔らかな温輻射を作りだします。更に暖かい空気が上昇する原理を利用し、 外断熱層の内側と部屋の壁仕上げのあいだに(内かべ空洞と呼ぶ)この空気を上手に流し、 更に2階床、 2階壁、2階天井と部屋全体を暖かい空気ですっぽりと包み込みます。床、壁、天井の表面温度を均一にすることが輻射暖房の理想型ですが、 木造でそれを成し遂げています。なお、冬場に一般的な木造住宅は壁体内で結露する可能性が非常に高いのですが、 この暖房システムによって、柱、梁という主要構造体の存在する場所に「乾燥した暖かい空気」を充填するため、 構造体の乾燥が促進されます。総じて太陽と温熱環境的アプローチからデザインを詰めた住宅です。
ポーチからふれあい庭を見る
夏場の鋭角な日射に対し、完全な板状の日除けとしてしっかり光を遮るルーバーの様子.
パッシブには断面で応答する
夏・冬の太陽角度のみならず風の道を間取りと建物の周囲の余白とを合わせて一気に解決する.
月極駐車場側からの視線配慮
厚いセメント無垢サイディングのパターン張り。耐候性に優れた外壁材。
門型のフレームが印象的な南の姿
駐車場側とはうってかわって、透明感に富んだ正面。天然木とガラス、ダブルフレームで彫りの深い表情をつくる。
ふれあい庭のだんらん
南庭は玄関ポーチと直結した外へと開かれたスペース。
畳の間から 光の庭上部から
北にありながらも光の庭がしっかりと畳の間に採光をもたらせてくれる。
写真
玄関
光の間と玄関のつながり
光の間
外のデッキを部屋内まで引き込んで新しい「縁側空間」を演出している.
写真左
光の間から大テーブルの間を見る
写真右
大テーブルの間と庭のつながり
冬の光を受ける「ストーブの間」
筒状の吹き抜けから「反射、拡散」させた光を玄関背後の「ストーブの間」へ落とす。 冬場の35度前後の光のうつろいを調べ、正確に空間に写した.
写真左上
大テーブルの間からストーブの間を見通す
写真左下
ストーブの間から大テーブルの間を見通す
写真右
光の吹抜けから差し込む太陽光
写真右
ストーブの間収納扉を閉鎖すると、オーディオやテレビなどはすべて隠ぺいされる。
写真左
ストーブの間から光の間を見通す
パッシブルーバー効果
写真上下
2階共用空間
南の[光]に向かって天井はどんどん上昇。 冬の緩い角度の光は遮光ルーバーを通り抜け、 部屋の奥までしっかりと明るさが届く。 足もとまで下げられたテラス窓によって風通しを促し、 手すりは布団干しに利用する。
写真左
中2階カーポートの上、中2階に書斎を計画。ここは他の部屋と 隣り合わないのでオーディオルームとしても活用可能.
写真左下
中2階の書斎スペース
写真右
スペース4|主寝室として使用.将来2室分割に答える2つの出入り口.
ポーチからふれあい庭を見る
写真左|畳の間、床の間を見る
離れの間のような配置をとった畳の間.隣地の月極駐車場からのプライバシーを確保しつつ、
たたみの間に太陽を送り込むための「間合い」にもなっています。
写真右|畳の間から光の間を見る
枕木と龍のひげやアイビーによる露地のような庭.