長谷川建築デザインオフィス株式会社

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ユニークプロジェクト

世界の柘パイプ|築55年のパイプ制作の工房ビルディングを構造補強

創業80周年を超え、今や世界のパイプづくりにその名を馳せる柘製作所

手作業と加工機が所狭しと並ぶこの工房ビル。既に何トンもの機器が並ぶこの1階に、新たに2トンのニューマシンを受け入れるプロジェクトに参画した。

これは小規模ながら【プロジェクトエックス】で特集を組みたい程のスリリングな補強の物語だ。。。。レトロフィットの構造補強は、まだまだ、いろいろな 可能性を持っています。壊したくないビルオーナーの皆様、必見です。

柘製作所|床版補強計画

設計|長谷川建築デザインオフィス 長谷川順持

構造設計|造研設計 三好 敏晴|http://www.zoken.co.jp/

補強施工|辰 ペイント施工|渡辺冨工務店

あっ、、この車!そうです、デボネアです。現役バリバリで走っています。

1964年|前回の東京オリンピックのころから大切に使われているビルディング

この建物であらたな2000キログラムを受け入れて、果たして1階の床は持つのか、、。地下空間の作業所は大丈夫か!

既存の機械、什器が占拠し、新加工機械の設置位置は限定されています。残念なことに、その下部にはまったく梁が存在せず、しかも、過去に何らかの役割を果たしていた、大きな開口がありました。どのように床補強をするか、わずかな期待を持って、地下に降りて見ると、、、。がっくり、天井には設備の配管だらけでした。

 

正方形2個分480×240

天井にはおびただしい生きた設備配管が立体交差していた。

この設備を寸断し、他に切り回せば、話は解決は簡単。しかし、1階から4階までの全ての作業がストップし、納品が止まってしまう。この配管と既存の固定された機械を一切移動せずに、 解決することは可能か。周到に既存物の寸法を計測します。

 

正方形2個分480×240

支え上げたい場所には、ライフラインが存在。。

アイデアが降りて来た!

配管と配管の間から、数多くのポイントで、床を押し上げよう!2000キロも6ポイントに分散すれば300キロ。方向性は見えた。

 

正方形2個分480×240

詳しく補強方法を見て行きましょう。。

既存にあらたな力を添える構造補強の際重要なのは、既存の部位で信頼できるもの、できないものを区分けし、できるだけ新規構造を自立させつつ、信頼できる部位と結ぶこと。 これはセオリーであるが、どのように結ぶのかがデザインの真骨頂|それがデザインによる課題解決です。

 

正方形2個分480×240

 

点荷重を線荷重|軸力に変換し|すでに多くの荷重を負担している既存梁に、可能な限り応力を負担させず|地球へと逃がす。。

スラブから離隔を創るジャッキ。これは、床をむくらせる効果にも働く。この離隔距離に既存配管が走る。

 

正方形2個分480×240

インダストリアルなインテリアに補強構造がスリリンングな関係性を持って、力を逃がして行く。

レトロフィットならではの【出来事としての構造美】。

既存の構造や配管と補強フレームの関係

 

正方形2個分480×240

今まで見えなかった面が、近隣建物解体でさらけでてしまいました。

しっかり補強し新たな機械導入でフル稼働な工房に活気がでました。外観の思っても見ない側面。ここにリブランンディングに結ばれるドローイングを画きます。

美しいパイプのフォルムとその名前。私たちに馴染みがうすいけれど、パイプの美しさは周知のもの。全て同じスケールで、巨大なパイプを画くことにしました。

現場で建物の大きさ、窓の位置などを計って(図面が一切の残っていません)いくたびもレイアウト調整し、原寸の下書き用のドローイング完成です。

 

正方形2個分480×240

文字専門の職人さん、カタチを画く職人さん、二つの職種の匠に集っていただき、原寸に引き延ばした文字とパイプの下絵を図面通りに壁面にトレースダウン。 アナログな方法ですがこれが一番間違いが無い。美しいカーブを一期に画きあげる筆さばき。その思い切りのよい仕事は見事でした。

亀のデコボコ感も却って味なので平滑にしません。

 

正方形2個分480×240

そして、柘会長は、満面の笑顔!5月の浅草三社祭には、この壁画の前を大勢の方々が練り歩きます。浅草に来たら、寿4丁目付近、探してみて下さい。。

柘製作所のオフィシャルサイトはこちらから

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