森と住処を結ぶ「小径木だけで創る」空間システム
本年、弊社は林野庁『森林整備加速化・林業再生事業』の研究開発事業に取り組んで参りました。 この空間システムは、その研究成果を基に、「林業再生を促すデザイン」として開発したものです。 既に、「ユーザー・住まい手」と「山・森に関わるつくり手」相互に、現実的な活動がスタートしています。 このシステムの技術的な範疇に限定し、グッドデザイン賞に提出したところ、このたびの受賞に結ばれました。
ここまでに、すでに様々な方々との対話がなされてきた仕事のあらわれとして、多くの方々の応援の声と共に前進中です。
在来軸組構法で4間四方に屋根を架けた場合、中間に1本柱を据えても、梁の成(高さ)は24センチを要し 大径木から切り出される材木に頼ることとなり、主流は「米マツ」などの外来材が用いられている実情です。 これを90角以下で組むということは、そうたやすいことではありません。
架構ダイアグラム/9センチ角以下の材料で7200×7200/4間4方を覆う屋根を架けます。
最も集中して開発しているポイントは「仕口や継ぎ手のないジョイント」です。組み上げ(解体・循環)への考慮です。 本システムの生命線はこの「結節点」にあります。(特許出願済み)
合板に頼らない構造体です。屋根面の水平剛性の作り方がユニークですが、複雑な仕事ではありません。 災害時に工業製品であるベニアに頼りすぎてきたことが、住まいづくりを停滞させました。省Co2ストラクチャーを実現します。
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中庭・なかにわタイプの概要
本プロジェクトの開発中に奇しくも東北の大震災が起こりました。 このシステムのモジュールが、いわゆる仮設住宅の最小ユニットを2所帯分包括できることから、 被災地の施設としての活用を考えました。 「選べる被災者住宅」がキーワードとなっています。
前土間が界隈性を生みだします
まちづくりの視点で「個・あるいは戸が全体を制御する」集落の在り方を考察しました