太陽と呼応    太陽を知るには影を知る

ガラス窓もいっぱいあって、これはきっと明るい家になるぞ、とわが家の計画図をみながらできあがりを楽しみにしていたのに、
住んでみたら、暗い家だった。ありえない話ではありません。そうしたことが起きる原因は、周囲の建物の様子や環境の調査の
甘さ
が理由です。これまで、ずっと住んできたこの土地だから十分知り尽くしていると思われる場合でも、先入観を捨て、四方
の建物、広くは木々や森をも含めて、自分の敷地にどのような「影」を落とすか日影図を描いてみる。自分ではちょっと難しい
と思ったら住まいづくりを手伝ってくれている工務店、ハウスメーカー、設計士にお願いしてみることです。(プロの設計家は
たいがい描けます)その影の当たりをつける季節は、当然お日さまの恋しい季節、冬場の影の長い時期(冬至)を設定して行っ
て下さい。それまでの住まいで、住んでいただけでは気がつかなかった日当たり場所、午前や午後の新しい日射しやその方角な
ど、思いもかけない発見があるはずです。こうした日影図の平面的なチェックで見えてくるのは、建物の配置計画の大枠です。
真四角の輪郭で建てるよりL字の輪郭で配置した方が有利であるとか、概ねどのあたりまで北側に下がればよいかなど。こうし
て「影」を調べることで「光」を知り、そして「間取りのヒント」になる情報を数多く手に入れられる。

これは太陽が教えてくれる、太陽のデザインです。

   
     

どの部屋にも太陽光の恩恵を

家の中のどの部屋も、お日さまが出ている限りは、電気をつけなくてもよい、そんな住まいが戸建て住宅では理想です。しかし、
これがなかなか難しい。家の中が暗くなってしまう理由は、間取りそのものにもあります。南側に居室ばかりを並べ、その背後
に壁、そして中廊下、その北側に水廻りという定番間取りでは、廊下部分から北側が暗くなって当たり前です。こうした間取り
にトップライトで採光をとる苦し紛れの方法も見受けられますが、これは最後の手段として考えたいもの。光は単に明るさをつ
くり出す効用だけではなく、熱を獲得し、そのスペースの温度や湿度を大きく変化させます。湿気による結露が起こりやすい北
部屋も南の部屋からの拡散光やその空間との空気の流通があれば快適性は向上。端的にいえば、壁や廊下をできるだけなくしオー
プンな間取りにすることが肝心です。「壁」は影をつくる、太陽が欲しければこれを無くしていくことは自明です。太陽のバリ
アを見抜く目を養いましょう。

 
 
   

配置計画の基本

まず敷地の中央に立って北を背にして南に向かい、東から日が昇り、西に沈んでいく、大きなイメージをつかんでください。その調査の季節がちょうど冬場ならばお昼頃が調査時間としてはふさわしいでしょう。真南の建物が、自分の敷地のどのあたりまで影を伸ばしてくるかをつかみます。上図右の点線はそれを示しています。建物の建坪いっぱいに単純に配置しますとこの点線を南面が全部越えてしまうようなと真四角にこだわらず、Lの字型の配置は有効です。こうして、影の面に積極的につっこんでしまう部分と影をかわす面とをこしらえるのです。影に踏み込んだ部分は「朝日を受ける面、午後の光を受ける面」を生み出す可能性もあるのです。この朝日のあたる面に「食事のスペース」を配するなど、配置計画がすでに間取りをも呼び起こすことになります。このほか「斜めの方位」には、これも単純に四角い計画にするのではなく、雁行(とりのカリが飛ぶ姿に似ているのでガンコウと呼びます)配置にしますと、多くの採光面を得ることができます。

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