もちろん、木造でいえば、柱の根元が「結露」で腐っている場合や、RC造ならばコンクリートが「中性化」して本来の強度を持っていないなど、その構造体の材料が劣化していては話になりません。「構造」とは、別のことばでいえば「関係性」です。安全な素材を前提として、それらを更に生かすことのできる「力学的な関係性」を、安定的に計画することを「安定した構造」計画と記述します。
さて、上図をもとに再確認する必要があるのは、「力」は上から下へ流れていくということ。従って3階建てを例に示せば
1. 建築を計画する際、1階を考えて、2階を載せて、そして3階を計画して、、最後にさあ「屋根の形をどうしよう」と、下から順に考えるのではなく(プロでさえ、そう計画している事実がありますが、それが不安定な構造を生み出す原因とは知らずにいます)この思考プロセスがなんと多いことか。
2. 安定した構造を得るための計画プロセスのイメージは、今風にいえば「真逆/まぎゃく」です。
まず、屋根(あるいは最上階)の大きさや形を見いだす。そのボリュームを支える「柱」や「梁」あるいは「壁」をどのように地球へと連続的に結ぶかを第一に考えるのです。
3. この最上階/屋根と地球とを結ぶ、力の連続する途中に、2階や1階を合理的に位置づけるのです。(ここでいう合理的とは屋根や最上階を支え、地球まで連続する柱などを、下の階でも利用するという意味です)
4. もちろんこれは3階、2階、1階を全て同じ平面計画/間取り/にするべき、などと主張しているのではありません。
下図に安定した構造の2階建て略断面図を示します。これが腑に落ちれば、安定した構造のセオリーの中で豊かで変化に富んだ空間が生まれる可能性が見えるでしょう。